Sword Strike 10



退魔師5

「なるほど。それで私たちに彼女たちと共に戦えと?」

金髪の女性が答える。

「うむ。お前たちで無ければ勝つ事は難しいだろうからな」

「・・・・・」

ネロ・カオスが答える。

男性の方はずっとだんまり。

「貴方。少しくらいは会話に参加したらどうですか?」

私の問いかけにも男性はずっと黙りっぱなし。

嫌われることにはなれているけれど、やはり此処まであからさまなのは堪えるものがある。

でも、彼の心情は複雑。単に嫌いと言うわけではなく、罪悪感と後悔と恐怖感。そんなものが感じ取れた。

「そうか、そんなに答えを聞きたいか。なら答えてやる。絶対に嫌だ」

あからさまに棘のある言い方をして答えてくる

「嘉向。良いの?」

「ああ、俺はコイツが気に入らない。一緒に戦うなんて嫌だね」

ツンとそっぽを向く

「って言うわけで、申し訳ないけれど・・・・・」

ファルと言う女性が断りの言葉を口にしようとした瞬間に

「紗那様。皆さんをお連れしました」

と誠が襖を開けた

話しの途中だけれど仕方が無い。

「ええ、良いわよ。中に入って頂いて」

入室を許可した。もしかすると、これで彼らの意見が変るかもしれないから・・・


遠野7


「どうぞ、お入りください」

誠さんが俺たちの入室を許可してくれる



「どうも、お久しぶりです」

「あら、志貴君達も元気そうね」

部屋に入ると紗那さんとネロ・カオスのほかに数名、見慣れない人達がいた

黒い袴を着けたメガネの男性。彼は以前に見かけた事はあるが・・・・・


「「ゲッ!」」

その中で、銀髪の男性、金髪の女性、そしてシエル先輩が嫌そうな顔をして声を出す。

「な、何で此処にいる。第七司教!!」

「それはこっちの台詞です。なにフラフラ出歩いてるんですか馬鹿司祭!」

あ、一瞬にして二人の頭に血管が浮き出てる



「馬鹿とはなんだ! とっとと人の血をちぅちぅしてる輩を狩って来い」

「貴方こそ。ソルトレークシティにでも行って異端宗派の監査をしてきたらどうです?」



・・・・・・・・

「あの、すみませんが・・・此処で宗教戦争を起すのはやめて欲しいんですけど」



ちょっと怖い、いや、かなり怖い。二人ともギロリって音がしそうな目で睨んでくるから・・・

「あ、いえ、彼は私と同じ宗教ですよ」



「シエル、彼を知ってるの?」

アルクェイドが当然のように疑問を口にする。

「ええ・・・あまり言いたくないんですが、彼とは同じ穴の狢と言うか似た仕事と言いうか。私たちは貴方たちを狩ることを生業にしていますが・・・・」

「俺たちは異端宗派の監査と内部調査、及び粛清がメインなわけだ」

そう言って男性がタバコに火をつける

「まったく、この破戒僧が。司祭がタバコを吸いますか?」

ギリッとシエル先輩が拳を握る

「別に、気にして無いし」

二人がまた徐々にヒートアップして行く

「先輩、落ち着いてください」

黒鍵を繰り出そうとするシエル先輩を止める

「・・・・・・はぁ、仕方ありませんね。少しお話しましょうか」

「そうそう、久しぶりに会ったんだからお話しようよ〜」

金髪でショートカットの女性が促す

「しかたない」

ムスッと少し拗ねて男性がため息交じりに答える



「で、彼は誰なんです?」

司祭とか言っていたけど・・・・

「ええと、彼はキリスト教の司祭です。布教と言う名目で各地の施設を監査するのが仕事ですが。

そして、その存在が人に害をもたらすものなら粛清することを許されています。一部では”粛清機関”と言われてますね」

粛清。確かに大きな組織ではそう言った部隊があっても不思議は無い

「つまり、外部の敵を排除するのがシエルたち埋葬機関で、私たちは内部の敵を排除してるわけよ」

女性が明るく答える

「ええ、と、お名前は?」

「ああ、そっかそっか、わすれてたな。俺はカナタ、白澄 嘉向だ。隣にいるのがファル。似てないと思うが一応兄妹ってことになってる」

双子だが。って一言付け加えてきた。確かに、嘉向さんは東洋系の顔立ち。ファルさんは西洋系の顔立ちで兄妹とは見えない。



「何でシエルさんと嘉向さんは仲が悪いんですか?」

秋葉が質問しづらいことを平然と聞く



「別に嫌ってるって訳でもないんだが」

と嘉向さん。絶対にそう見えない。

「私も彼個人は嫌いではありませんよ。かなり捻くれてますがね。ただ、彼のいる”粛清機関”は私のことを・・・・・・・・・ま、皆まで言う必要は無いでしょう。昔、私を酷い目に会わせた人たちってことです」



以前に聞いた事がある。死ねない体の時に幾度と無く殺され続けたって。それをしたのが彼らなのか・・・・・

「それは以前に謝っただろ」

「謝ってすむ問題ですか!」

「悔い改める事は最大の喜びであるとか何とか」

悪びれる様子も無く、嘉向さんが答える

「調子良く教義を持ち出さないでください!」

んー、確かにこうして落ち着いてみると言い合いはしているけど心の底から嫌っている訳じゃないみたいだ

「で、貴方が此処にいるって事は、貴方も参戦するのですね?」

シエル先輩が問いかける

「ああ、さっきまではしないつもりだったんだがシエルがいるなら話は別だ。思いっきり楽しませてもらう」

フゥと紫煙を吐いた後、嘉向さんが答える



「紗那様、友人をお呼びしました・・・・・・」

突然、顔を真っ赤にしながら見慣れない男性が入ってくる

「あ、ごめんなさい。少し席を外します。それと誠、両儀達も来てるでしょうからこちらに案内してあげて」

「わかりました。では失礼します」

紗那さん達がそう言って部屋を出て行く




魔術師5

「こんにちは〜」

本堂の横にある建物の入り口を開けて、挨拶をする

「おお、待っていたぞ衛宮」

一成が迎えに出てくる

「悪いとは思ったんだが全員で押しかけてきちまった」

一応、良いとは言われたけど謝っておく

「いや、構わん。上がってくれ。今・・・・・その・・・・紗那さんを呼んでくる」

消え去りそうな声でボソボソっと言って一成が戻ろうとする

「おい、ついでに誠を呼んでくれ。俺たちには関係ないから皆のところに案内してらう」



一成の顔が強張る

「あ、あの、お知り合いの方ですか?」

「ああ、紗那は良く知ってるよ。体の何処に黒子があるかまでな」

笑って式さんが答える

「ほら、突っ立ってないで呼んできてくれ」

何を想像してたんだか。

ボーっとしている一成に橙子さんが呼ぶように促す

「はい、少々お待ちください」

常に平常心とか言っている一成は本日、只今をもってご臨終となったらしい。

今いるのは顔を真っ赤にして右往左往してる変な奴だけだ



「あはははは、一成の面白いものが見れたわ。貴方たちには感謝すべきかしら」

カチンコチンの一成が面白かったのか、遠坂が大笑いをしてる。

暫くは口喧嘩の最終手段として使われることだろう。

友人よ悪魔の契約書にサインした事を黙っている俺を許してくれ。

心の中で一成に謝ることにする。




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