Sword Strike15



C/B


「それでは、数日間よろしくお願いします」

シエル先輩が教会の人との話を終えてお辞儀をする。


「どうでした?」

「大丈夫ですよ。私と彼の名前を出せば教会に属する以上文句は言えませんから」

どう受け取って良いのか、微妙な答え方でシエル先輩が答える。



「それよりも、よ。これからどう戦って行くか、それを確認しないとね」

「確かに賛成です。ではすぐにでも始めましょう」

アルクェイドとシオンが奥の部屋に歩いて行く



「で、どうするって!?」

アルクェイドが開口一番現状を話した瞬間、耳を疑いたくなった。

「何、聞いてなかったの? もう一度言うからよく聞いてよね」

少し眉毛を吊り上げてアルクェイドが再び口を開く


「あの人たち相手に私たちには作戦の立てようが無いの。唯一の方法として相手を分散して一対一に持ち込むこと」

「・・・・・・確かに、それが一番勝率が高い」

シオンが頷く



・・・・・・

「もっと他の方法とかは無いのか?」

絶望の会議、その結論が出ようとしていた

「無いわよ、心理戦や駆け引きじゃ紗那たちにかなわないし

連携能力は橙子達にかなわない。つまり私たちにはリスクを無視した力押ししかないのよ」

アルクェイドが珍しく真面目な顔をして説明する



「私は二人くらい相手に出来るけど、志貴たちは無理でしょう。相性の悪い相手ならなおさらよ。とにかく、私たちは連携に適した能力が無いんだから分散が優先項目。と言うか唯一の作戦なの」


「そうですね。集団戦闘では遊撃手やサポートが重要な役割を占める。私たちにそれに適した能力者はいませんからね」

秋葉がアルクェイドに同意する。

確かに、秋葉の能力は場合によっては味方にも被害が出るし。シオンも判別して狙撃できるほどの腕は無い。


「わかった、それで行こう」

「それと遠野君、私達から仕掛けるのはご法度ですよ。此方のテリトリーに誘き出して叩きます」

シエル先輩が付け加える



「それでは、暫くは普通にしていればいいんですね?」

「いや、秋葉と私は外出するのを控える必要がある」

秋葉の質問にシオンが答える

「なぜ?」

「私たちには直感能力も回避能力も無い。相手に魔術師やアサシンがいる以上は不意打ちを受ける可能性を減らすべきです」

「・・・・・」


「そうですね。逆に遠野君は出歩くべきでしょう。囮としては最適ですし」


・・・・・

「あのー、勘弁して欲しいんですが・・・・」


「大丈夫です、手足がなくなったら直してあげますから。敵を私たちのところまで連れてきてくださいね」

指を立てて笑顔で答えるシエル先輩。



「兄さんを一人でなんて、そんな事させません!」

秋葉が机を叩いて声を上げる

「なら、全員で行動するしかないわね。それなら多少は何とかなるだろうし」


アルクェイドの一言が今後の行動を決定させた



M/P



「橙子」

「ん。なんだ、式?」

「色々と交友関係が広いみたいだな」

言葉通り褒め言葉、と言うわけでは無いだろう。両義さんの表情は厳しいままだ。

「それは認めるが・・・・・・はっきり言え。何を知りたい?」

「司祭とか言われてた奴だ。俺の見た感じ、多少は鍛えられてるみたいだが一般人にか見えないんだが?」

確かに。彼らにはまったく異質なものは感じられなかった。上手く隠してるのかもしれないけど。



「確かに、私も彼等に異質なものは感じませんでした」

セイバーが同意する。


「その通り、おかしなものは無いだろうな。あの二人には魔術回路の”痕跡”すら皆無だったからな」

・・・・・

「それって、おかしすぎるじゃない!」

遠坂が大きな声を出す

「え、普通は無いんじゃないの?」

「アンタねぇ。痕跡すらないって事は、その”系譜”に魔力を持った人間がまったくいないって事よ? 人間の人口と歴史を考えて見なさいよ、ありえるわけ無いじゃない!」

いや、そんな事知らないし。

「その通り。あいつらはそういった意味じゃ異質中の異質だ。神の奇跡ってのが使えるのはその為かもな」

橙子さんがタバコに火をつける



「神の奇跡? ・・・・・・つまり、超能力者。インチキ集団なわけだ」

遠坂の顔が曇る

「何だよインチキって?」



「つまり、こういうこと」

ヒュンと、両義さんが腕を振るとキラリと光が反射した。その手にはナイフが握られている


ゴトン

横にあった塀の一部が地面に落ちる

「ふん、その程度。私にも出来ます」

セイバーは自身ありげに答える



「んしょっと、セイバーさん。断面を良く見てください」

鮮花さんが落ちた塀の一部を拾ってこちらに向ける

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・ありえない」

そりゃ、剣の達人とか言われてる人はこういう風に斬れるって聞いた事があるけど。

その断面は鏡のように綺麗だった。こと刃物に関しては多少の鑑識眼は持っていると思うが、両義さんの持っているナイフはそれほどの名品とは言えない筈だ。

「魔術じゃなくて、特異な力を持つ人間。それが俺やあいつ等なわけだ」

パチンとナイフを閉じて、両義さんが歩き出す

「式、無闇にものを壊しちゃ駄目だろ」

「うるさい。言葉じゃ納得しないと思ったから実演してやったんだ」

黒桐さんの言うことも最もだ。こんな力を使われた日には大変なことになりそうだ

この人が敵でなくて良かった



「そうそう、いい忘れてたが」

橙子さんが口を開く

「なんですか?」


「もう一人。式と同じ力を持った奴が敵にいる」

それだけを言い残して、橙子さんも歩き始めた。



D/N


「いい加減、口を開いたらどうです?」

実際のところ、部屋に戻ってからずっとこの状態だった

「よそ見しないでください。私は貴方が話をしてくれるまで此処を動きませんから!」



眉間に皺がよる

まったく、厄介な。いつもならこんな時はファルが相手をしてくれるんだが・・・・・・

無理だと判断したのか、奥のほうで他の奴らと話をしてる

心配して、たまにこっちを見るんだが、目が会うとすぐにそっぽを向いてしまう

「・・・・・・裏切り者」



「なんですか!」

「・・・・・」

コイツはちょっとした小言すら聞き逃さない。

「まったく。人間と言うは言葉を話すことで親愛を伝える事も出来るはずなのですが?」

フゥ、と小さなため息

「・・・・・」

「・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・」

「・・・・」

「・・・」

沈黙が続く


「・・・・」

「・・・」

「・・・・・酒」

いい加減、飲まなきゃやってられません


プチンとなんか音がした


「死んでください」

ヒュンと目の前に光が走り、前髪が数本パラリと落ちる

「お、おい!」

「死は全てに平等な幸せです」

問答無用とばかりに再び白刃が迫る

咄嗟に近くにあったテーブルを持ち上げて防ぐ

無駄。ゴロンと歪に二分割されたテーブルだったものが床に落ちる

人様のものを勝手に壊してるし!

「お前。殺す気かっ!」

「貴方みたいな人には相応な報いです!」



止めとばかりに紗那が刀を大きく振りかぶる!



「はいそこまで。それ以上の悪ふざけは駄目よ」



刃が振るわれる瞬間に、ファルが一言口を開く

その手には白い拳銃が握られている。顔は此方を向けていないが、銃口は間違いなく紗那の頭部を狙っていた。

ま、口調が変わっていないから本気と言うわけでは無いだろうが、これ以上すれば本当に引き金を引くかもしれない。

「まったく。本当に殺すわけ無いでしょう」

刃をヒュンと一度振ったあと、刀を鞘に戻す。



「嘉向も。一緒に行動するんだから必要最低限の会話くらいしなさいよ」

今度は銃口が俺に向けられる

「へいへい」

ため息をついて、返事する。



「それじゃあ・・・・・・」

気を取り直して。

「はい、なんですか?」

俺が話しかけるのが嬉しいのか、紗那が微笑んで答える。

あー。やっぱりやだ。話ししたくない。


「とりあえず酒。あとツマミをよろしく」

此方も微笑んで答える



「・・・・・・誠」

「はい。かしこまりました」

顔も向けずに一言呼ぶと、返事が帰ってくる

「嘉向さん。いえ、この際嘉向と呼ばせてもらいましょう。これから生きて行く上でいかに会話が大切かを納得するまで眠らせませんから、そのつもりで!」

そう言って俺の真正面に座布団を敷き、座り込む

「俺はあっちに行って・・・・・・」

「却下します。貴方の席は此処です!」


紗那が自分の前を指差す

ファル様。事後報告になりますが、この人は相当お怒りのご様子です。救助をお願いします。

視線にその思いを込めてファルを見る。



「じゃ。私は散歩してくるから」

コンタクトに失敗した模様。と言うか、わかってて逃げたといって良い。



「お待たせしました」

誠、と呼ばれる女性が一升瓶と小皿をお盆に載せて戻ってきた

「誠。私はこの人とゆっくり話をしますから、後の事はお願いね」

「はい。では失礼します」

おい、使用人。少しは同情しろ



「貴方の相手は私。他に気を逸らす必要はありません」

「う、うぃ」

そのプレッシャーに無意識に答えてしまう。

色々と分からない事が多いが、理解できたのは”美人が凄むと怖い”って事と”生贄に情けをかける者はいない”ってことだった。



−教えてくれよ 琥珀先生!−

琥珀:はい、お待たせしました。本編の補足コーナー!

翡翠:姉さん、ブッチャケすぎです

琥珀:ところで誠さんは?

翡翠:今回出番があったようなので大人しくしてるそうです。

琥珀:なら良いか。それじゃ、今回は紗那さんの性格についてお話しましょうか

翡翠:あの完璧超人に言う事があるんですか?

琥珀:そうねぇ。お嬢様だし権力者だし温厚だし美人だしちょっと天然入ってるから影に埋もれてるけど・・・・・・

翡翠:はい

琥珀:実は納得できなかったり、許せない事があると結構執念深いし沸点が低くなるんですよね。
   ここら辺はういんぐさんのところに掲載されてる前作”思月空夢”の時もあったんだけど、
   今回はより強調されてるみたい。

翡翠:なるほど、紗那さんは主導権を握れないと結構ボロボロになるタイプなんですね。

琥珀:そうね、能力に頼ってる部分が大きいから仕方ないんでしょうけど。
   ダメですよね〜、主導権なんてものはいらないのに。
   それよりも、関与しないところでどう思惑通りに動かすか考えた方が効率的ですよね〜
   
翡翠:そう言う考え方をするのは姉さんだけです。

琥珀:翡翠ちゃんも主導権欲しいものね〜。お食事させたり。お散歩したり。お風呂も・・・・・・きゃっ

翡翠:・・・・・・ポッ

琥珀:でもでも、翡翠ちゃんの場合は主導権を握って引っ張ってもらうのもいいわよね?
   んでもって、ご主人様にあ〜んな事やこ〜んな事を命令されて喜ぶ。これぞ、メイドの鏡!
   
翡翠:姉さん、話がずれてます

琥珀:否定しないところは翡翠ちゃんらしいわよね・・・・・・

翡翠:当然ですね

琥珀:それじゃ、最後にステータスね。

   C/B チーム状態 普通
   M/P チーム状態 普通
   D/N チーム状態 普通

翡翠:これで普通ですか・・・・・・

琥珀:そうしないとすぐに険悪状態を突き抜けて決裂状態になっちゃうものね。それではまたらいしゅー

翡翠:お疲れ様です




姫流:ところで、私たちは何処にいるわけよ?

銀迩:確かに。俺たちどこで生活してるんだ!?

ゼルレッチ:次元の狭間

二人:いや〜〜〜!!



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