Sword Strike16


C/B



「じゃあ、日が暮れるまでは此処で自由にしてて良いのですね?」

「ええ、琥珀と翡翠に任せれば生活の方は問題ありませんから」

シエル先輩の問いに秋葉がさも当然と言い放つ


俺としては年末のこの時期にゆっくりできるのは嬉しい限りだが

「志貴、何処かに遊びに行こうよ!」



こうやってお茶を飲みながらのんびりとして

「しーき。志貴志貴。志貴ってば」



ああ、そうそう。教会って直に見られる事は少ないから後で聖堂の方を見学してみようっと

「ちょっと〜。無視しないでよ〜」


「あ〜っ! 五月蝿い!」

「なによ、無視するから悪いんでしょ!」

「アルクェイド。俺はゆっくりと日が暮れるまで過ごしたいんだ」

それに外に出ると何かと厄介だし。

「ぶー。この間のクリスマスだって家にいたじゃない」

「そりゃそうだけど・・・・・・」

内容は。大暴れする三人組に居眠りメイドとウンチク娘。ついでに割烹着の悪魔という最悪の宴だった。

「とにかく、俺は此処でお茶を飲んでるの。そのうち聖堂を見に行こうかなっては思ってるけど」



「なによ。磔にされたされたマゾ男を祭った建物に行くってわけ?」

明らかに不機嫌な表情をして、とんでもない暴言を吐き捨てる。



「あのなぁ。そんな事言っちゃダメだぞ。仮にも宿を貸してもらってる立場なんだから」

「ふん。あんなの本当の事を知らない人が言ってるだけよ。良い、あの宗教はね選民主義の塊で、自己正義に酔いしれてる危ない人たちの巣窟なの。シエルを見ればわかるでしょ?」



えーと、非情に回答し辛い質問なんですが・・・・・・・



「そんな事はありませんよ。他者に愛を持ち、我々が寄り良い方向に導くものなんですから。まぁ、私は敬虔な信者とはいえませんけど」

シエル先輩が答える

他者。自分以外の者。いや人間か。アルクェイドたちを敵視しているわけだし。


「よく言うわね。まぁ、貴方も救われない人間だから構わないけど」

「私が救われない?」

「ええ、聖典によれば救われるのはたった十五万前後の人間のみよ。当然信者はそれ以上にいるわけだから救われない人間も大勢いる。人類から見ればほんの一部。これが選民主義以外の何だって言うわけ?」


「チョット待ってくれ。アルクェイドの話しは俺の知ってる教会の話しと違ってる」

あれは他者を愛し、正しく生きていれば救われると言う話ではなかっただろうか?



「・・・・・・志貴、遊びに行くのはキャンセル。あとシエル、チョット付き合って」

一瞬、アルクェイドが以前に一度だけ見せた凶った目をしたあとにそんな事を言う

「いったいどういうつもりです?」

当然の如く聞き返すシエル先輩

「ちょっとね。此処じゃみんながいるから拙いわ。貴方と私くらいしか理解できない話しをしたいのよ」

そういったあとに、シエル先輩の腕を掴んで強引に外に出て行く。



「なんだったんですか。アレ?」

「私もわかりません」

秋葉とシオンが怪訝そうな顔をする

「俺もわからない。けど、凄く嫌な感じがする」

アルクェイドのあの目を見てしまったからかもしれないけど・・・・・





「ちょっと・・・・それって・・・・・」

「そう、間違いないわ。アソコにいるのは四騎士と花嫁。それに聖杯の出現。他にブルーや爺やが私たちを煽って来る理由は無いわ。」

冷たく言い放つ

「ならば獣は?」

「そう、ね。彼等がいるならそのうち現れるかもしれない。でも絶対に鳴かせてはダメ」

「そうですね。それこそ最悪の事態ですね」

「わかった? 他の人たちに気付かれないように殺すわよ?」

問いかけるアルクェイドの声には感情と言う言葉が排除されていた

「当然です。最悪そのあと遠野君に殺されたとしても後悔はしません」

シエルも既に弓と呼ばれた代行者としてその場に立っている

「では」

「そうね。頃合を見て可能なら始末しましょう」

その受け答えは有る種の覚悟を意味するものだった



M/P


「さて、と。これからする事は」

「戦力の確認と作戦立案て所かしら?」

遠坂が橙子さんの先手を取って口を開く

「そうだ。と言っても私は戦闘は不得意だから式と鮮花が此方からはメンバーに加わるが」

「私と士郎、それとセイバーがこっちからは参加するわ」



「ちょっとまった」

「なによ?」

「アーチャーは?」

アイツも英霊だから俺を参加させるよりもよっぽど有意義だと思うんだが?

「ああ、用事があるから暫くは無理よ」



遠坂、それで良いのか!?

「あと、大将は士郎。あなたよ」

・・・・・マジっすか!?

「大丈夫です。アレを渡せばシロウの生存率は多分一番高くなる。それに自重する意味でも貴方はリーダーになるべきだ」

セイバーも遠坂の意見に賛成らしい。確かにアレを受け取れば簡単には死なないだろうが・・・・・

「セイバーは大丈夫なのか?」

彼女の強力な加護が消えてしまうことも意味するのだ

「この身は英霊。そう簡単には遅れは取りません。それに貴方が私の鞘なのですから、持つのは当然の事です」

・・・・・

そう言いきられてしまっては拒否の仕様が無い

「俺たちも賛成だな。臆病な奴がリーダーな方が気が楽だ」

式さんが笑う



「わかりました。それじゃ、引き受けますよ」

それが俺の答え



「じゃあ、次は作戦ね。はっきり言って、現在の状態じゃセイバーがいたとしても勝ち目は無いわ。どうする?」


「簡単だろ。お前らが相手を身動き取れなくして、俺が一閃する。一番確実な方法だ」

確かに、塀を切り落とした腕があれば可能かもしれないが・・・・・・

「式、単独で物を考えるな。今回はチーム戦。しかもご丁寧に単独行動がリスクを背負う形で仕組まれてる」

橙子さんが真面目な顔をする



「そうね。その考えは相手が一対一で下回るか此方よりも人数が少ない場合に限られるわね」

そう、俺と言うお荷物がいる以上はその作戦はリスクが大きすぎるのだ。

「なら、どうするんですか?」

鮮花さんが質問する



「私たちには他のチームには無い特色がある。そいつを最大限に生かすのは元より、戦力増強が課題だな」

「俺達の特色?」

魔術師? 

いや、それじゃセイバーや式さんが外れてしまう。



「簡単に言うと、集団戦闘能力って奴だ。各自が判断力を持ち、また役割もこなせる」

「そんなの他の人たちと比べられるほどの事なんですか?」

「ああ、遠野のチームは間違いなく分散を狙ってくるはずだからな。アソコのメンバーと一対一じゃ負けが確定してる」

実際、どの程度のものか見ていないが、封印指定の魔術師がそう言うんだから相当のものだろう



「戦力増強に案はあるんですか?」

遠坂が質問する

「確かに難しいがな。だが絶対的に必要だ。さしあたってはセイバーと式、残りのメンバーである程度能力を把握した方がいいだろう」


つまり、俺たちには呼吸を合わせる事が最優先課題と言う事になったわけだ


N/D



「・・・・・・と言うわけです。理解しましたか?」

「いや、まったく」

簡潔に答える



「どうして貴方はそう言う風に他人と壁を作るのです。そんなに他者に本心を覗かれるのは嫌ですか?」

「嫌です」

一言で斬って捨てる



「まったく、お前ら良くやるよな」

朱加と呼ばれるちびっ子が茶々を入れてくる

「そう思うなら助けろ!」

「何よそ見してるんですか!」

「ってわけで、無理」

そう言い残してスタスタと朱加が元いた場所に戻って行く

「ちょっと、話をする時は人の目を見なさい」

グイッと強引に顔を振り向かされる

「ぐぁ」

クビを骨折するかと思ったぞ

「ほーんと、髪の毛と一緒で捻くれてるんですから」

「うるせぇなぁ。関係ないだろ、そんな事」

と、髪の毛をグシャグシャとかき混ぜられる

「やめろって」

その手を振り払う

「ふふふ」

なにか艶っぽい笑いを浮かべる紗那

「な、なんだよ?」

「えいっ」

ガバッと思いっきり抱きつかれて押し倒される

「いきなり何しやがる」



「言葉が通じないなら”ぼでぃらんげーじ”とか言うので理解してもらいます」

すっごい発音だ。



「・・・・始まったな」

「そうですね」

使用人と黒良が不穏な会話をしてる



「お前ら、それはどういう意味だ?」

「ああ、紗那さんは酔っ払うと”抱きつき魔”になる。ちゃんと面倒見てくれよ」



何で俺が。

「ほらほら、どうですか?」

ギュッと抱きしめる力が強くなる

「やめろっつうの、暑苦しい!」

何とか逃げようと体を動かす

「だーめ。その女嫌いが無くなるまで止めません。それに冬なんだから丁度いいでしょう?」

勘弁してくれ。



「わかった。ちゃんと会話する。だからそこから退け」

「本当ですか?」

明らかに疑った表情、既に此方の意図はお見通しって訳だ



「あれ? 嘉向、何いちゃついてるの?」

部屋に入ってくるなり、驚いた声で聞いてくる

「俺はそんな事して無い。何でもいいからコイツを引き離してくれ」

「それが人にものを頼む態度?」

ったく、仕事中と性格が違いすぎるぞ!


「わーかりました。ファル様助けてくださいまし」

「しょうがないわね」

渋々とファルが近寄ると、片手で軽々と紗那を持ち上げる

「ふにゃ!?」

なにやら訳のわからない奇声を上げる紗那

「ぽーいっ」

「きゃ〜〜!」

「馬鹿、やりすぎだ〜!」

そのまま紗那をポイッと外に投げ捨てた。その距離は十メートル近く・・・・・・

「さてと、それじゃ寝ようか」

まったく悪びれた様子も無くファルが誘ってくる

「わかった。それじゃ俺たちは寝るからあとはよろしく」

ファルと共に寝室へ向かう。なんにしても厄介ごとから開放されて良かった。



「朱加・・・・・」

「私は嫌だよ。此処は誠が適任」

「そんな。やっぱり男性と言う事で黒良が適任だと思います」


三人三様で外に投げ捨てられた女主人!? の後始末に迷う者達だけが残されていた


ついでに外で何があったか理解する前にスヤスヤと幸せそうに寝息を立てている女性が一名


「紗那さんが空を飛んでった!?」

追加で憧れの女性が空を飛ぶのを目撃した一般男性(一成)が一人だけいた



−教えてくれよ 琥珀先生!−


琥珀:はい。お待たせの本編が始まります

翡翠:こっちが本編なのですか?

誠 :話しの深さ差で言えばそうともいえますね。

琥珀:あ、誠さん。本編に出番があるのに出てくるなんて、芸人根性丸出しですねー

誠 :そんな事言わないでください。

翡翠:そうです。姉さん、言いすぎです

琥珀:うわぁ〜ん。翡翠ちゃん取られた〜!

・・・・・

琥珀:前置きはこれくらいにして補足説明しちゃいますね

誠 :立ち直り早いですね

無視


琥珀:えーと、今回はオリキャラチームの主人公の白澄 嘉向さんですね

誠 :私、この人苦手です

翡翠:私は共感が持てる部分があります

琥珀:あー、そうかもしれませんね。基本的な性格は女嫌いプラス捻くれ男らしいから

翡翠:でも、悪人には見えないんですよね。暗殺者のはずなのに?

琥珀:ええ、基本的には善人ですから。ただ、態度が素直じゃないわけよ。

   序盤でファルの傷をそれとなく治してあげたりしてたでしょ?

誠 :そう言えばそうでしたね。

翡翠:そういえば、この人たちだけ方向性が決まってませんが?

誠 :紗那様がいれば問題ありません。

琥珀:それもあるけど。彼らは集まって行動してれば問題ない構成って事なのよ。

翡翠:前衛が朱加さん、中堅が紗那さんと黒良さん

誠 :後衛と防御がファル様で遊撃手が嘉向さんと言う事ですね。

琥珀:ね。作戦決める必要ないでしょ?

翡翠:そうですね。

琥珀:最後にステータス更新ね



C/B

遠野志貴


狙われやすくなる能力。

直感 A−

自身の生命危機に関しては予知レベル。正し、悪意の無い攻撃や他人の危機に関してはまったく働かない



翡翠:志貴様は色んな意味で狙われやすい人ですからね

琥珀:そうねぇ〜(と言いつつ誠さんを見る)

誠 :知りません



三人:それでは、また来週






紗那:何か、この頃私の扱い酷くないですか?

姫流:そのうち私みたいな扱いになりそうね

銀迩:否定できないところが怖い


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