Sword Strike17


C/B


「志貴、ちょっと出かけよう」

なんだ、やぶからぼうに?

「そうですね、遠野君も此処のところ二人でゆっくりとデートなんてして無いんですからいいんじゃないですか?」

シエル先輩、貴方の発言を俺は裏があるように感じてしまうのですが気のせいでしょうか?

「ちょっと待ちなさい。何で兄さんがその人とデートする必要があるんですか!」

顔を真っ赤にして秋葉が抗議する。ちなみに髪の毛まで真っ赤なのは言うまでも無い

「そうですね、最後の息抜きと言ったところでしょうか。秋葉さんたちはそれなりに休息できるでしょうが、私たちは間違いなく標的にされますからね」

珍しく、シエル先輩がメガネを外してハンカチで拭く。別段汚れているようには見えないが・・・・・・



「そんなの関係ありません!」

と言うか、その反応だと俺の意思も関係ない様に思えるから不思議だ



「――ともかく、二人の邪魔をする気なら”私が全力で抗議します”から」

メガネを掛けて、秋葉を見る目は”シエル先輩”ではなく”代行者”としてのソレだった

「シエル、ありがとね」

グイッと急に体に横のベクトルが加わる

「ちょっと」

待て。と言う言葉が消え去る速度でアルクェイドに連れ出された



「・・・・・・まったく。お前と言い、シエル先輩と言い、いったい何を企んでるんだ?」

やっと口が利ける上体になったのは大きな橋の上。

「別に、二人で散歩でもしようかと思っただけ」

満面の笑みで答えるアルクェイド。普段であれば、この笑顔で全てを許してしまうのだが・・・・・・

「今回ばかりは妙だ、シエル先輩まで協力するし。あまつさえ実力行使も辞さない態度だったんだぞ?」

「・・・・・・」

「納得の行く答えを聞くまでは俺は此処から動かないからな」

シュンと項垂れるアルクェイド。

だから、そんな態度は卑怯だ

俺が全部悪いみたいじゃないか

「なんなんだよ。俺にも話せないような事なのか?」

「きっと、話したら志貴は来ないから」

来ない。来る。と言う事は

「目的地があるんだな。そこに行って何をするつもりなんだ?」

色んな感情があふれ出しそうになるが、何とか押さえつけて普段と変らない口調で問いかける

「来て。そして見てもらえれば志貴にはわかる筈だから」

アルクェイドはその言葉を最後に繁華街とは反対の住宅街の方に歩き始めた



M/P



「それじゃセイバー、思いっきり行くから覚悟しろ」

覚悟、ソレは負ける事に対して言っているのだろうか?

なら杞憂と言う意外に言葉が見つからない

「サーバントである私にそのような覚悟は必要ありません」

気丈なセイバーらしく、挑発とも取れる言葉を一言で切って捨てる

「わかって無いな」

「えっ?」

隣の橙子さんが呟く

「ほら、始まるぞ」

吸っていたタバコを手持ちの灰皿で揉み消して、視線を二人に向ける

「・・・・・・」

セイバーの構えは下段に刀を引いた構え。

相手の迂闊な攻撃には下から切り上げと言うカウンターが待っている

何だかんだと言っても、セイバーがあの構えを見せたのだから実力は相当なものなのだろう

呼吸も隠し、相手の出方を伺っている

「へぇ、外人が下段の構えなんてものを知ってたのか」

式さんが竹刀を鞘に納めたように腰に当てる

抜刀

先の先

相手が打ち下ろすよりも早く、防ぐよりも早く一閃する剣技の中では最速の攻撃手段

対してセイバーは下段からの切り上げを狙った攻撃

すなわち、後の先

どちらが先に攻撃を当てられるかと言う、いわば速さの勝負。

なるほど、と思った。

抜刀術は外国には殆ど無い日本独自の剣技。万が一がおきる可能性がある


ピンと糸が張るような緊張感。事実、ほんの少しの事でその糸は切れ、刹那の時間で勝負が決まる筈だ

「・・・・・・」

橙子さんが揉み消したタバコの吸殻を二人の中心に投げる

「ちょっと、何をやって・・・・」



「せいっ!」

「はぁぁっ!」

吸殻が地面に落ちる瞬間にセイバーと式さんが交差した



「そんな・・・・・・」

呟いたのはセイバー

「わかったか? 同じ得物を持ったときの技量の差が」

スッと姿勢を正して、式さんがこっちに歩いてくる

「ご苦労だったな、式」

「別に」

橙子さんの問いにつまらなそうに答える

「そんな、サーバントのセイバーが負けるなんて・・・・・・」

遠坂の目が信じられないと語っていた

「――いいえ、負けたのは当然。彼女を侮っていましたし、得物を過信もしていました」

目線を送ると、佇んでいるセイバーがいる

その手に握られた竹刀・・・・・であったものを、手が白くなるほど握り締めて

セイバーの持っていた竹刀は柄の根元で綺麗に切断されていた

「卑怯者!」

遠坂が叫ぶ

「なにがだ?」

「何かインチキしたでしょう、そうでもなければ竹刀があんな風になるなんてありえないわ!」

そういえば、式さんは塀をナイフで切断していた。確かにアレが出来るのならば

「して無い。したとすれば竹刀だけじゃなくソイツの体ごと真っ二つになってる」

・・・・・・

「それじゃ、風呂に入ってくる」

フワリと髪を靡かせて、式さんが道場を出て行った

「トウコ、教えてください。彼女は、シキは何故竹刀をこの様に出来たのですか?」

不機嫌と言うわけでも無い。本当に理由を知りたいのだろう。セイバーが真摯に問いかける

「ま、わかりやすく言うと”斬り抜く”技量が式は圧倒的にお前さんに勝っていたって事だ」

だからこその結果。

「わかるか? 西洋の剣は突くか叩き切る事に終始徹底されているが、日本の場合は”切断”する事に徹底されている事を」

「確かに、それは知識として知っていますが、何故?」

そう、外国の人間には何故そんな技量が必要なのかわからない

「つまり、一対一の戦いを想定しているんだ。相手の鎧ごと切り裂く事を、剣と剣の駆け引きと言うものをな」

「確かに、私の常識では名乗りを上げ一対一で打ち合うなど愚考と思っていますが」

ああ、そういえば外国で一騎打ちなんて殆ど聞かないな。聞くとすれば人以外の者とのソレだけだ。

「セイバー、お前にはその技術を式に教えさせる。お前は替わりに式にお前なりの剣技を教えてやれ」

カチリとタバコに火をつける橙子さん

「それとセイバー、お前の剣も式に当たっていたぞ。今頃式は風呂場で絶叫してるんじゃないか?」

ニタリと笑って紫煙を吐く

「さて、次は問題児集団の魔術師に課題を与えるぞ」

自分の事を棚に上げて、橙子さんが俺達を呼ぶ



N/D


「なぁ、寝るんじゃなかったっけ?」

間隔の長い外灯の下、隣を歩くファルに問いかける

「そう思ったんだけどね。やっぱりアソコが気になっちゃって」

答えを聞いて納得した

「なら、仕方ない」

タバコを咥えて、火をつける

「唯一、橙子先生に会わない事を願うよ」

「また、そんな事言って。本当は憧れてたんでしょ? 態度も、やる事も、久しぶりに見たけど瓜二つだったよ?」

そんな事言われても困る、俺自身、このスタイルが性に合ってるんだから。それに・・・・・・

「憧れたって無駄だよ。あの人は大人だし、俺みたいなガキじゃどうにもなら無いよ」

そう、憧れていたのは本当。ただ、久しぶりに再開して実感したのは、長い年月で近づけたと思っていたものは更に遠い存在となっていたと言う事だけ。

「またまた〜、嘉向ってば拗ねてんの?」

ガバッと抱きついてくるファル

「止めなさいっての、ホモと間違われるわ!」

「むー、何よ、その言い方わ!」

グキリとヤバゲな音がして、抱きつくと言う愛情表現からベアハッグと言う壮絶な感情表現に替わってしまった

「確かに、間違われる事があるのは認めるけど、本人にそれを言うってのは無神経なんじゃない?」

頭に血管が浮かびそうなほどお怒りのようだ

「っぎ、ぎぶ。わる・・・・かっ・・・・た」

なんとか、圧迫された肺を動かして声を出す

「まったく」

手を離してはくれたものの、ブツブツと文句を言うファル

・・・・・

彼女は、男性と替わらない長身。そして、可愛いと言うよりも、シャープで綺麗な容姿のせいで男性とたまに間違われる。

ジーパンとか私服のサイズが俺と同じだからと言う理由で勝手に着てるのも原因だと思うんだが・・・・・

「何?」

疑惑の眼差しが向けられる

「いや、なんでもない」

本人にそんな事を言ったら、今度こそ胴体が千切れるまでベアハッグをされそうだ

「それにしても、さ」

「本当、少しは情緒ってものを理解して欲しいわよね」

俺もファルも既に得物は手の中だ

ファルと呼吸が重なる、それが合図

二つの銃声が間を置かずに鳴る

「・・・・・・」

その先には、地面に髪が触りそうなほど長い女性が一人佇んでいた

「まさか、祝福済みの弾頭を受けて無傷とは」

何故だろう、この女性には魔を間違いなく感じるのに、懐かしさを、そう自分と似たものを感じる

「別段、覗くつもりはありませんでしたが・・・・・・」

眼帯。にも拘らず、此方の事が判るようだ

「お前は何者だ?」

「さて、何者なのか。貴方こそ何者です? 私と同じ血を受け継いでいるように感じますが?」

俺の感じたものを彼女も感じているのだろう

「別に、唯の人間。あんた達の敵側にいるけどな」

再度、今度は眉間に狙いをつける

「・・・・・なるほど、人間、只の人間ですか」

ニタリと口の端が持ち上がる

「出来れば、貴方とは戦いたくないものですね。私は貴方の事が好きな筈ですから」

好きな筈?

今好きなわけでもない。好きだったわけでもない。第一、彼女になんて出会った事は無い

「俺は女が嫌いだ」

言葉と同時に引き金を引く

「なに?」

驚いた。いくら魔とは言え、銃弾よりも早く動いて、避けるなんて。



「また会いましょう。それまでに自分の事を思い出せている事を願います」

空から声がする

天馬

白い翼を持った白い馬が彼女を乗せたまま、空を駆ける

「参った。魔獣使いまでいるのかよ」

この街に迷い込んできたのかわからないが。

俺達が集まった事である種の特異点となってしまったのかもしれない

「さて、それじゃ行きましょ。ついでに今の女性について詳しく教えてね」

満面の笑みで紅蓮の炎を背負ったファル様。

「誤解だ」

「じゃあ、屋上まで駆け上って身投げしたら許してあげる」

訳がわからん

でも、許す気は無いと言うことだけは理解できた



「まったく、あの人たちに協調性と言う言葉の欠片すらないんですか!」

頬に大きな絆創膏を張って、激昂してる女性

その前にはとばっちり以外の何者でもない三人が正座している

それぞれに驚きの表情が浮かんでいる事から見ても、彼女が、紗那が此処まで怒るのを見たものがいないことを意味していた


「そんな事私たちに言われても・・・・・・」

朱加が全員の言葉を代弁したように呟く

「覚えてなさいよ、白澄 嘉向。絶対に許しませんから!」

夜も更ける中、紗那がある事を決意した瞬間だった






−教えてくれよ 琥珀先生!−


琥珀:と言うわけで、いやー、本格的に動いてますねー

翡翠:動くの遅すぎです

誠 :準備と言うか、話を構成するための条件が山ほどありましたからね。

琥珀:セイバーさんたちの参加、オリキャラの追加。ついでに根底のストーリー条件とたくさんあるわね

誠 :まぁ、作者は二ヶ月悩んだ上、自分たちで作っているゲームのキャラまで持ち出してきましたから

翡翠:そうですね。オリキャラは単体で話が作れるレベルまで作りこまれてますから

琥珀:そうね、朱加さんは荒巫女っていう職業の人だし黒良さんは陰陽師だものね

翡翠:なんですか、それ?

誠 :荒巫女と言うのは魔物を退治する・・・・・・まぁ荒事専用の巫女ですね。

琥珀:うーん、日本も色んな職業があるんですね

翡翠:そうですね

琥珀:今回は朱加さんについて教えてもらっていいですか

誠 :はい


祁答院 朱加

荒巫女

神の血を引くとされる巫女の中でも荒事専門の人間

能力を完全に覚醒させるためには男性との”交渉”が必要

しかし、一度契ると、他の人間と”交渉”をした瞬間に死ぬとされている

また。魔物(落ちた妖魔の類)は神の血によって本来の力を取り戻せるため、狩る側にして狩られる立場でもある


誠 :と言ったところです。

琥珀:大変ですね。私なんか何回死ねば良いんでしょうかって感じですよね

翡翠:姉さん、卑屈になってますね

琥珀:良いです。私みたいに汚れた女性なんて誰も相手にしてくれないんです

   こうなったら琥珀特性○○爆弾を世界中にばら撒いて男の人なんてタタなくしてあげます
   
翡翠:人類が滅亡すると思いますが?

誠 :でも、こういうキャラって、バッドエンド方面とか、お色気シーンとか結構ずさんな扱いされるんですよね

翡翠:良かった。そんなシーンがなくて本当に良かった

琥珀:さて、最後にステータス更新ね

翡翠:はい

   C/B チーム状態 険悪
   M/P チーム状態 普通
   D/N チーム状態 険悪

誠 :結構ヤバくないですか、コレ?

琥珀:本格戦闘が起きない事を祈るばかりです

翡翠:それでは、お疲れ様でした







銀迩:姫流ちゃん、聞いた? 俺達の出番、結構先まで無いらしいよ

姫流:初耳。でも良い、力技で出るから。ああ、もちろん私独りね

銀迩:鬼! 悪魔!

姫流:ありがとう、最高の褒め言葉だわ

数分経過

銀迩:あががが

ステータス更新

銀迩、全治二週間のため、出演無し決定

銀迩:しくしくしくしくしく




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