Sword Strike6




騎士王2


「・・・・・アーチャー」

視線を動かして、小さな声でアーチャーを呼ぶ

「なんだ?」

「貴方は何故、彼等が此処を通る事を知っていたのですか?」

アーチャーが少しだけ困った顔をした後、口を開く

「私が”以前の人生”を歩む切欠となった人間だからだ。彼らの・・・・・・が、私の認識を変えた」

途中、ボソボソと小さな声だったために聞き逃してしまった。

「え、何です?」

「二度は言いたくない」

そう言うと、腕を組んで目を瞑ってしまう。

言葉で聞き取れたのは、彼が英霊となる前に出会った事くらいなものだ

「そうですか、ならば余計な詮索はよしましょう」

私も瞼を下ろす



暗殺者2

「ファル?」

「なに、嘉向?」

・・・・・

「後ろの二人、どう思う?」

どう思う。とは彼らの印象だろう。

「そうねぇ、赤い方はどちらかと言うと私達の側。青い方は反対って所じゃない?」

アーチャーだったか。彼は嘉向と同じ、もしくは近いように思える。考えてみれば白い髪も、派手な服も似ている。

「そうかなぁ、俺には二人とも同じように見えるんだが?」

それは、血の匂い。少なくとも両手では済まない数の命を奪ったものが持つ雰囲気。そういったものを感じ取ったのだろう。

「確かに、にてる部分も有るけどね」

微笑んで答える。



「それよりも、この後着いてくるって言ったらどうするつもり?」

私たちは空港からパスポートで日本に向かう。知識としては知っているし、嘉向と会話するのは日本語なのだけれど見るのは初めてだ。

「別に。良いんじゃないか? 貨物室に入ってもらう事になるだろうが・・・・」

「まったく、適当なんだから」

私達が乗って行く飛行機。それは組織の息が掛かっているからそれ位なら可能だろうけど、気温が氷点下の場所に乗せるのはまずいと思う。

「気にするなよ、なるようになるだけさ」

こっちの心配を吹き飛ばすように軽く答えてタバコをふかす

この男、本当に楽天家なんだから。



退魔師3

「黒良、早く来なさいよ!」

石段を登り終えた私は弟を呼ぶ

「勘弁してくれよ、何で個人の荷物以外は俺が運ばなくちゃならないんだよ」

常に困ったような顔をしているので気にしない事にする

「荷物運びは男の仕事」

言い切って、月読様の方に向かって行く

「良いのですか?」

「ええ、全然問題ありません」

他人事なので問題なんてない

「はぁ・・・・」

月読様はため息をつく

「なにか?」

「いえ、それでは中に入りましょうか」

奥のお堂の方へ歩いて行く

「お、お待ちしておりました・・・・」

私たちと近い年齢の男の人がガチガチに緊張して迎える

「それでは、お願いします」

「はい! 此方です」

顔を真っ赤にして私たちの前を歩き始める。

どうやら、紗那様の信望者らしい。

この方はやる事も外見も完璧だからそう言う人も結構いるのだ

ま、退魔師の側面を知らない人に限るが・・・・・・



遠野5


「そう言えばさ、シオンはどうするんだ?」

「どう、とは?」

俺の質問にシオンは怪訝な顔をする

「いや、車は光を遮断してるけど、流石に外は出歩けないだろ?」

「確かに。以前秋葉の作ってくれた全身用のUVコートもありますが、顔をどうするかが問題ですね」

車に乗るときは同じ布を頭から被ってもらったが、先輩に”貴方には相応な姿ですね”なんて冷やかされたから二度としないだろう。

「そうすると、シオンは日が沈んでからしか行動できないわけか・・・」

「そうですね、今が日照時間の短い季節で助かりました」

考えてみれば、秋葉以外のメンバーは太陽の光の無い場所でなければ全力を出せない。

昼間はこっちが不利になるって事を覚えていこう


「シオン様、大丈夫です。これをつければ少しの間は動き回れますよ」

琥珀さんがなにやら小さなビンを取り出した

また何か怪しげなクスリでも作ったんじゃないだろうか・・・・

「志貴さんにはゆっくりと理解してもらいましょうか?」

「冗談です」

この人、紗那さんほどじゃなくても人の考えを読むからなぁ。

「それは良いとして。これは遠野グループで開発した超UVカットのローションです。通常の数パーセントまで紫外線を防げますから、多分大丈夫ですよ」

その多分が怖いのですが・・・・

「ちなみに名前はタイガーF・キュレル。原料は溶かしたトラと薬草です」

「アウト!」

「はい?」

「名前から原料まで全部アウト!」

「それは良い。ありがたく使わせてもらいます」

ちょっと待て。まったく問題ないのか?

その手の名前でまともなモンが有ったためしは無いぞ

マキキューXとかトナミンZとか

「あら、志貴さんお昼寝ですか?」

プスリってなんかが刺さって意識が消えた






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