Sword Strike8




遠野6

「んっ」

何時の間に寝たのだろうか。

ぼんやりと考えながら目を開ける

「志貴さん、そろそろ着きますよ」

正面にいつの間にか琥珀さんが座ってる

「ああ、もう着くのか・・・・・」

メガネをかけ直して外を見る


「・・・・・・・」

「どうしました?」

「あ、なんでもない」

ただ、少しだけ見えた公園。それが良くないものだと感じてしまっただけだ

「流石ね、アレを感じ取るなんて」

先生が隣で微笑む

「いえ、厄介なだけですよ」

あまり、特異な能力を褒められるのは気分が良いものではない

「アレが聖杯戦争の名残ですか・・・・」

シエル先輩がため息混じりに口を開く

「そうよ。それも前々回のね」

「そうですか。ならば早々に浄化しましょう。あそこにはまだ良くないものが残っていますから」

先輩の表情に笑顔は無い、ただ、悲しいことを思い出したような顔をしていた


・・・暫くして車が止まる

「着いたみたいだな」

窓の外には森林。そして石段が山の頂上に向かって伸びている



「ふぅ、久しぶりに外の空気を吸ったよ」

車から降りて大きく深呼吸をする

「お待ちしていました」

鳥居の前に見覚えのある凛とした表情の女性がいる

「久しぶり、誠さん」

「お久しぶりです。皆様」

誠さんが一礼をする

「それでは参りましょう。紗那様がお待ちです」

「あ、と。その前に護符をもらえないかな。秋葉達は入るのに必要だろ?」

「いいえ、この石段から入るのであれば問題ない作りになっています」



「なら、行きましょうか」

秋葉が先を急ぐ、それも当然。紗那さんとの久しぶりの再開。それに、待つのが嫌いな性格だし。

「ああ、そうだな」

周りを眺めながら石段を登って行く



「ん?」

石段を登り終える寸前、横の樹木に傷があるのがわかった。

もう、色が変っているからそれほど目立たないけれど、明らかに刀みたいなもので傷をつけたものだ。

「遠野君、早く」

シエル先輩に呼ばれて境内に入る

「うっ・・・・・」

眩暈。グラリと一瞬視界が歪んだ。

此処はさっきの公園とは比べ物にならないほど歪んだ空気。

徐々に薄れては行っているようだが・・・・・

「嫌な感じね」

俺を迎えに来たアルクェイドが境内を見渡して眉を潜める

「お前もそう感じるのか?」

「ええ、邪悪な感じと神聖な感じ。私の嫌いな両方の残滓が残ってるのよ」

ムゥっと口を尖らせてアルクェイドが答える

邪悪なのは感情的に嫌い。神聖なのは本能的に嫌い。ほんと、コイツも大変だ

「ほら、兄さん。行きますよ」

もう、建物に入ろうとしている秋葉が呼ぶ

「ああ」

少し早足で秋葉達に追いついた。


魔術師3


「あ、士郎電話鳴ってるわよ」

話が一段落すると同時に電話が鳴る

「ああ」

なっている電話の受話器をとる

「もしもし?」

「おお、衛宮か」

一成?

「どうしたんだ?」

「ああ、その、今日話していたお客さん・・・・・・紗那さんがだな・・・・お前に会いたいと言っているのだ」

そういえば、今日そんなことを言っていたな

「悪いんだけど、うちにもお客さんが来てるんだ」

「そんなものはどうでも良い。此処に連れてきても良いから来てくれ」

「そんな急に・・・・・」

「では、早くな」

プツリと電話が切れる。

珍しく一成の口調が焦っていたな



「誰から電話だったの?」

居間に戻ると、遠坂がお茶を入れてみんなに配っていた

「ああ、一成から。すぐに来てくれってさ。皆さんも一緒に来て良いって言ったんだけど・・・・・」

「めんどくさい」

「何で私たちが」

「やだ」

橙子さんたちが即答で答える

「そう言うなって、衛宮君の話しだと結構大切な話しみたいじゃないか。行ってあげようよ」

黒桐さんが助け舟を出してくれる

「で、何の用件なんだ?」

そう言って、式さんがコーヒーを啜る。

少しは検討する気になってくれたみたいだ



「友達のお客さんが俺と話したいって言ってた」

「それが重要なことなの?

一成の奴、そんなふざけた理由で呼び出したわけ? 自分で来るように言いなさいよ」

遠坂が眉を吊り上げて怒る

「いや、一成じゃないんだ。お客さん・・・・えっと、紗那さんて言ったかな」

「「ぶぅっ」」

その瞬間、橙子さんたちが見事にコーヒーの噴水を吹き上げた

「何で紗那が此処にいるんだ。察知するにしても早すぎだろう!?」

口を拭きながら橙子さんが文句を言う

「おや、言い忘れていたか。相手はそのお嬢さんの率いるチームだ」

爺さんが優雅にコーヒーを飲んで答える

「わざと黙っていただろう、宝石!」

ヒートアップする橙子さん



「ってことはだ。多分もう一チームってのは・・・・・」

式さんには心当たりがあるのだろうか?

「ああ、遠野だろうな」

チッと舌を鳴らして、橙子さんがタバコをふかす

「あの、それってどんな人たちなんですか?」

俺たちにはまったく認識の無い人たちだ


「そうだな、参戦するだろう人物をわかりやすく言うと

混血一族の当主

天下無敵の真祖の姫

その姫を殺したことのある殺人鬼

埋葬機関の司教

アトラスの院長

日本対魔機関のトップ

ってところだ、ただ数が足りていない。おそらくあと四人くらいは同じレベルの人間が集まってくるはずだ」

ガンッ!

橙子さんが言い終わると同時に遠坂は頭からテーブルに突っ伏して大きな音がした



暗殺者3

「もうそろそろ着くわね」

ファルが横で地図を見ながら呟く

聞いていた”冬木”って街に入ったばかりだ

「このままで良いのか?」

「うん、もう少しで山があるはずよ。そこのお寺が目的地」

お寺?

教会じゃなくて?

「まったく、連続で仕事はさせるし、寺に行けって言うし。やりたい放題だな」

この仕事が終わったら文句を言ってやる

「んー、今回は”本家”からの依頼だったらしいし、仕方無いわよ」

「本家?」

って事はヴァチカンからの勅命か

・・・・・・

「あ、なんか凄くいやな予感がしてきた」

「私も。会いたくない奴がいそうな気がする」

確信に近い感じで嫌な想像が頭に浮かんだ



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